CNF創造センター
CNF(セルロースナノファイバー)の開発や製造をはじめ、品質管理やマーケティングを進めています。
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Our Activity
CNF(セルロースナノファイバー)の開発や製造をはじめ、品質管理やマーケティングを進めています。
CNF創造センターでは、高透明・高増粘・軽量で高強度等の特長を持つ木質由来の新素材であるCNF(セルロースナノファイバー)について、将来的な事業の柱を目指して実用化を進めています。王子独自の「リン酸エステル化法」により製造したリン酸化CNFについて、CNFならではの機能を活かした用途探索、他材料との複合化等による用途毎に最適化したCNFの開発、安定品質や製造効率を考慮したCNF製造技術の開発・実証などを行っています。
当社は、 CNF製造時の微細化エネルギーを低減する有効な独自手法として「リン酸エステル化法」を採用しています。セルロース繊維表面にイオン性のリン酸基を導入しセルロース間に強い静電反発を起こすことで、高い生産効率で繊維径約3nmまで完全ナノ化したCNFの製造が可能になりました。
現在では、高透明・高増粘・チキソ性・保水性・粒子分散安定性を持つCNFスラリー「AUROVISCO(アウロ・ヴィスコ)」、高透明・高弾性・熱寸法安定性・フレキシブル性を持つCNFシート「AUROVEIL(アウロ・ヴェール)」、様々な有機溶剤へのCNF分散を可能とした疎水性CNFパウダー、などの多彩なCNF製造を行い、積極的なサンプル提供と事業化のための用途開発を進めています。
当社のCNFスラリー「アウロ・ヴィスコ」は、増粘性、チキソ性、高透明性等の特性を活かし増粘剤用途で製品採用が進んでいます。
日光ケミカルズ社と共同開発した化粧品原料向けCNF「アウロ・ヴィスコ CS」は、様々な成分に対して安定した増粘・分散機能を発揮するため、幅広いタイプの化粧品に適用することが可能です。CNFの高い粘度とチキソトロピー性によりべたつかず、みずみずしい使用感が得られます。
タケ・サイト社の生コンクリート圧送用先行剤「ルブリ」には2019年1月に製品採用されました。CNFの高いチキソトロピー性によりポンプの圧力に追従して配管内部に均一な潤滑層をつくることが可能となり、ごく少量の先行剤でスムーズな生コンを圧送を実現します。また、先行剤成分の材料分離が起きにくい品質安定性も評価されています。
CNFとゴム材料の複合では、CNF同士がゴム中で水素結合を介して三次元の網目状構造を形成することで、水中における増粘効果とチキソ性(せん断力による網目状構造の破壊と再構築)が発現するのと同様に、補強効果だけでなく伸び(変形への追従)とが両立していると認識しており、他の補強材料(フィラー)にない差別化ポイントになると考えています。
当社では、信州大学との共同研究で、天然ゴムの特長である伸びを損なわず、石油由来のフィラーであるカーボンブラック(CB)配合並みの硬さを有するCNF-天然ゴム複合材の開発に成功しました。
今後、自動車産業をはじめとして各種産業において環境配慮型素材としての活用を目指し、ユーザーとの開発を進めてまいります。
CNFとPC樹脂との複合では、親水性のCNFと親油性の樹脂との相性が悪く分散が困難である点、PC樹脂が250℃を超える高融点であるため、溶融混錬ではCNFが劣化(着色)する点、が課題となっています。
当社では、CNFシートとPC樹脂とを複合化することによって、透明性も損なうことなく、弾性率を向上させ、熱膨張を抑えることに成功しました。
本複合材はCNFの持つ高透明性、高強度、熱寸法安定性を活かしており、既存材料であるガラスに対する軽量化のメリットも見込めることから、自動車をはじめとした各種窓用途での採用を目指し、ユーザーとの開発を継続しております。
既存の燃料電池等に用いられる「高分子電解質膜」はフッ素含有の化石資源由来製品で安全面や環境面の課題がありますが、新たに開発された高分子電解質膜は高いプロトン(水素イオン)伝導性を保ちつつ、PFAS※1フリーを実現しました。
成形体が変形に強く割れにくいことを特長とし、脱プラ・減プラにつながるセルロース(パルプ)を補強繊維とした樹脂複合素材について、「タフセル」の名称で開発・実用化を進めています。自動車部材などでの採用を見据え、製品に求められる品質や加工適性を最適化し、開発を加速していきます。
セルロースナノファイバーを用いた複合材料の開発に携わっています。現在は7人のチームで、ラボでの検討や実機での試作を行っています。開発の方向性についてはチーム全員で話し合い、個別の担当業務については自分の裁量で進めることができます。
日常的にフレックス制度を活用し、柔軟に勤務しています。ラボ実験のほか、文献調査や特許業務等のデスクワークもしています。社外で試作を行うことがあり、立ち会いのために外出する日もあります。Webセミナーを受講する日等は在宅勤務とし、打ち合わせもwebで行います。
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