イノベーションストーリー
Innovation Story
2024年度IR説明会
王子グループの事業運営および成長戦略をより深く理解いただくためのコミュニケーションの場として。

去る2024年12月10日、投資家・アナリストの皆さま、記者の皆さまをお招きし、
「2024年度IR説明会」を会場とオンライン上でのハイブリッド形式で開催。
王子グループの森林資源に根付いた事業運営および成長戦略をご説明いたしました。
テーマは「王子グループの成長戦略~森を育て、森を活かす~」
当日は、「王子グループの成長戦略~森を育て、森を活かす~」というテーマで、王子グループの森林資源を活かした事業運営と成長戦略について説明しました。

「森を育てる」篇では、王子グループが保有する広大な森林の経済価値化の取り組みを紹介しました。具体的には、国内にある18.8万ヘクタールの社有林が持つ公益的機能の経済価値(約5,500億円)や、猿払社有林における「王子の森の価値見える化プロジェクト」の進捗状況についてご紹介しました。

(画像上)当日のタイムスケジュールと発表内容/(画像下)王子グループの成長戦略を発表する磯野グループCEO
イノベーション推進本部は森林資源を活用した研究開発テーマを発表
続いて「森を活かす」篇では、イノベーション推進本部による発表として、健全に育てられたサステナブルな森林資源を活用した研究開発テーマの一例である「バイオものづくり」と「バイオマスレジスト」を、事業化に向けたロードマップとともにご紹介しました。

王子グループのリソースを最大限に活用をして生み出す木質由来の製品の中で、2024年度は「バイオモノづくり」「バイオマスレジスト」の二つに焦点を合わせ発表しました。
① イノベーション推進本部の取り組みと木質バイオビジネスのご紹介
最初に、道川イノベーション推進本部長から、王子グループにおけるイノベーション推進本部の役割と、一昨年行われたIR説明会の振り返りについて説明がありました。
イノベーション推進本部では「森を活かす」ために、木質バイオビジネスの研究開発を進めています。具体例として、セルロースナノファイバー(CNF)や木質由来の医薬品、林木育種技術を活用した国産薬用植物(甘草)の大規模栽培などを挙げ一昨年行われたIR説明会以降、実用化に向けて着実に進んでいることを報告しました。


(画像上)イノベーション推進本部の取り組みについて発表する道川本部長/(画像下)発表資料概要
② 森林資源を活用した”バイオものづくり”技術の開発
次いで、2024年度IR説明会では、木質バイオビジネスの注目テーマとして2テーマを取り上げました。
1つ目は、森林資源から、木質由来糖液、エタノール、ポリ乳酸等を開発する「バイオものづくり」についてです。
近年、化石資源に依存しないバイオ由来化学品の商用化を目指す動きが活発化している中、王子グループが持つ、豊富な森林資源を活用して、バイオ燃料やバイオプラスチックを製造する取組みを進めています。
木材は、農業系バイオマスと比べ、食糧生産と住み分けられており、また、施肥量が減らせるなど、地球環境負荷の低いバイオマス素材であることも、説明しました。
そして、直近の取り組みとして、東京都江戸川区に木質由来ポリ乳酸のベンチプラントを建設したことや、王子製紙米子工場内に、木質由来糖液・エタノールを製造する国内最大規模のパイロットプラントを建設していること、NEDOの大型プロジェクト(バイオものづくり革命推進事業)に採択されたことなどを紹介し、今後、製紙工場を舞台に事業構造転換を進め、「木質由来バイオで社会に大きく貢献をめざす」べく、本分野を推進していることを報告しました。

発表資料の一部
③ 最先端半導体向けバイオレジストの開発
次に、森林資源を活用した最先端半導体向けバイオマスレジストの開発について発表を行いました。
AIや自動運転車などの分野でますます市場が拡大している半導体市場では、より高性能で価値の高い半導体の原料が求められています。その中で、当社が開発している「木質由来のバイオマスレジスト」は、木質バイオマス材料がレジストの原料として使用される一方で、人体への影響が懸念される「PFAS」を含まず、次世代EUV露光装置にも対応した高解像度のパターン形成が可能で、次世代の半導体製造に適した材料とされています。
基本性能はすでに確認済みであり、現在は半導体デバイスメーカー向けに最適化を進めています。

発表資料の一部
研究開発部門がIR説明会で発表をする重要性
投資家やアナリストの方々と対話を通じ、新技術や製品にご関心を持っていただくことは、研究開発の方向性を定めるために非常に重要です。メディア関係者の方々との交流を通じて知名度が上がることで、外部の専門家の目に触れる機会が増え、貴重なご意見をいただくことができます。これにより、研究開発の進捗や成果に対する客観的な評価を受けることが期待できます。その結果、プロジェクトの改善点や新たな方向性の参考になるかもしれません。
また、投資家やアナリストの方々に王子グループの成長戦略をより深くご理解いただくため、その鍵を握る研究開発各テーマの進捗や成果について、研究者が専門的見地から説得力を持って丁寧に説明することが求められています。
したがって、研究者は研究開発だけでなく、社外のステークホルダーの皆様と積極的に交流することが非常に重要です。

会場にお越しいただいた皆さまに向けて、最新の研究開発テーマに係るサンプル展示を行いました。